関数y=f(x)のグラフ上のn+1個の点
(x0, y0), (x1, y1), …,
(xn, yn)が与えられたとき、
それらを全て通る関数y=g(x)をf(x)の「補間関数」、各xiを「補間点」という。
一般に、f(x)は未知だったり複雑だったりするので、
g(x)はf(x)よりも簡単な関数であることが想定されている。
特に、g(x)をn次多項式pn(x)に限定したとき、
pn(x)を「n次補間多項式」と呼ぶ。
多項式補間には、
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「ラグランジュ補間(Lagrange interpolation)」の解説は、書籍によっては、
『n+1個の点:(x0, y0), …, (xn, yn)に対して、
ラグランジュ補間:
を与える。』のように、載っているだろう。
しかし、この式から具体的な式をイメージするのは難しい。
そこで、具体的なnに対して、ラグランジュ補間の補間多項式を計算してみる。
例えば、n=1のとき、
のように計算できる。次に、n=2のとき、
となり、差が0になる部分が、分子・分母で約分され、打ち消されていることが分かる。
続いて、n=3のとき、
であるから、このときの補間多項式:
を得る。式の規則性を観察すると、4つの項
(x-x0)(x-x1)(x-x2)(x-x3)
から(x-xi) (i=0, 1, 2, 3)を取り除いた式が分子に乗っており、
それにx=xiを代入した式が分母であり、この分数の左にyiが掛けられている。
即ち、一般的なnに対する、ラグランジュ補間の補間多項式は、
で与えられる。
補間点の数を増やすほど精度が悪化することがある。有名な例として、
ルンゲの関数f(x)=1/(1+25x2)の区間[-1, 1]をn等分する、
n+1個の点を補間点とする補間多項式は、
区間[-1, 1]の両端付近で大きく振動し、
補間点の数を増やすと、振動は一層激しくなる。
このように、区間の両端で補間関数が大きく振動する現象を「ルンゲの現象」という。
チェビシェフ補間は、
x1=cos(π/2n),
x2=cos(3π/2n),
x3=cos(5π/2n), …,
xn=cos((2n-1)π/2n)
のn個を補間点とする多項式補間であり、
これらx1, …, xnをn次の「チェビシェフ補間点」、
n次のチェビシェフ補間点に対するn-1次補間多項式を「チェビシェフ補間多項式」という。
等間隔で補間した場合と比べると、振動がかなり抑えられ、
補間点の数を増やすと、精度は一層高くなる。
先程のx軸上の-1と1を結ぶ「線分を等分」して補間点とした場合に対して、
チェビシェフ補間はこの2点を結ぶ「円弧を等分」しているのだが、
それだけでほぼ最良の結果を得るのである。