ラグランジュの運動方程式の応用として、二重振り子の運動方程式を導出する。
単振り子と二重振り子の関係は、二体問題と三体問題の関係である為、
二重振り子の運動はカオスになるといわれている。だが、多くのテキストでは、
ラグランジアンとラグランジュの運動方程式を導出した辺りで計算を終了していたり、
計算はしていたとしても、近似して微小振動の場合のみを解いているだけである。
ここでは、微小振動として近似せずに、「二重振り子の運動方程式」を導出する。
※この記事の内容を卒業論文に引用した者がいるようだが、殆ど丸写しで、誤植もあった。
インターネット上の個人の備忘録に過ぎない記事なので、
それを卒業論文に殆ど丸写しで引用するのは如何なものか、とは思うのだが…。
水平方向にx軸、鉛直下向きにy軸を取ると、
― | 質点m1 | 質点m2 |
---|---|---|
x座標 | ![]() |
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y座標 | ![]() |
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dx ― dt | ![]() |
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dy ― dt | ![]() |
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運動エネルギーK | ![]() |
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ポテンシャル エネルギーU | ![]() |
![]() |
ここで角度の1階微分、即ち角速度をそれぞれ
と置くと、質点m1の運動エネルギーK1は、
となる。また、質点m2の運動エネルギーK2は、
であるが、ここで中括弧の中身の第1項・第2項はそれぞれ、
の様に書けるので、辺々を加え合わせて、
と導ける。また、質点m1のポテンシャルエネルギーU1及び
質点m2のポテンシャルエネルギーU2は、それぞれ
と書ける。
従って、この系のラグランジアンℒは、
と得られるので、これをθ1,ω1及び、
θ2,ω2でそれぞれ偏微分しておく。
さらに、ここで角度の2階微分、即ち角加速度を次の様に定義する。
質点m1に対するラグランジュの運動方程式は、
であるから、これを解くと、
を得る。また、質点m2に対するラグランジュの運動方程式は、
であるから、これを解くと、
を得る。
しかし、このままの形では、角度の2階微分:α1,α2が
両方とも式の中に含まれているので、
と置いて、二元連立一次方程式:
の形に変形し、これをα1及びα2に関して解けばよい。
勿論このまま解いてもよいが、行列を用いて、
と書き直せば、クラメル(Cramer)の公式より、α1,α2は
と求められる。ここで各行列式をそれぞれ算出すると、
となる。
分子に注目すると、各項はそれぞれ、m22か
(m1+m2)m2で
括ることが出来るだろう。ここで、
と置くと、分子分母をm22で割ることが出来るし、
位相差も括弧を使わずに表せる。各行列式をm22で割って、
と置く。これらの行列式の値を代入して、それぞれの角度の2階微分:
を得る。但し、前者は分子分母をl1l22で、
後者は分子分母をl12l2で割った。
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