高等学校の数列の単元で、3乗までの
これらは、同様の導出手順を用いれば、より高次の
「ベルヌーイ数とベルヌーイ多項式」で登場した、
ベルヌーイ多項式を用いることで、より簡潔に一般式を表示できる。
さらに、数式処理ソフト「Maxima」において、それらを表示させるコマンドを記す。
高等学校の数列の単元で登場した、
と一般化して定義する。
0乗の場合は、n個の1の和であるから、
であり、1乗の場合は、自然数の和であるが、
の様に、敢えて複雑化させた計算手順を経る。
何故なら、同様の手順を経ることにより、2乗の和が
と計算できる。3乗の和に関しても同様に、
と計算できる。高等学校の数列の単元では、3乗の和までであるが、同様の手順で、4乗の和:
及び、5乗の和:
の様に、より高次の
ベルヌーイ多項式の母関数において、Bn(x)を
Bn(x+1)に変更した式と
元のBn(x)との関係式から、
という、Bp+1(x+1)と
Bp+1(x)との関係式を得る。この等式:
において、x=1からx=nまでの総和をとると、
を得る。
この
は、発見者の名に
この公式に基づいて計算すると、0乗和:
に始まって、1乗和:
に続いて、2乗和:
及び、3乗和:
が得られる。更に、同様の手順で、4乗の和:
及び、5乗の和:
も得られる。個々のベルヌーイ多項式に関しては、
「ベルヌーイ数とベルヌーイ多項式」の記事を参照のこと。
「ベルヌーイ多項式を使わずに導出する方法」及び
「ベルヌーイ多項式を使って導出する方法」をこれまで述べてきた。
両者とも同様の手順を経ることで、より高次の
「ベルヌーイ数とベルヌーイ多項式」の記事には、
B8(x)まで記載されているので、後者は、
の様に、6乗和、及び、7乗和が計算できる。
改めて、具体的な高次の
8次以上の
非常に煩雑になる為、計算ミスを誘発する可能性を
それらの場合は、次の節に示した数式処理ソフトによる表示方法が望ましいだろう。
数式処理ソフト「Maxima」を用いれば、ベルヌーイ数Bn、
ベルヌーイ多項式Bn(x)、ゼータ関数ζ(s)等が
表示できることは、「ベルヌーイ数の応用―ゼータ関数―」
の記事にて一覧表にまとめた。
これを応用すれば、
以下の表に10次の
数式 | コマンド |
---|---|
factor(expand((bernpoly(n+1,1)-bernpoly(1,1))/1)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,2)-bernpoly(1,2))/2)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,3)-bernpoly(1,3))/3)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,4)-bernpoly(1,4))/4)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,5)-bernpoly(1,5))/5)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,6)-bernpoly(1,6))/6)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,7)-bernpoly(1,7))/7)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,8)-bernpoly(1,8))/8)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,9)-bernpoly(1,9))/9)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,10)-bernpoly(1,10))/10)); |
|
factor(expand((bernpoly(n+1,11)-bernpoly(1,11))/11)); |
式を整理するため、expand
で、敢えて一度式を展開してから、
factor
で、因数分解している。
なお、ヤコブ・ベルヌーイ(Jacob Bernoulli)は、自著「Ars Conjectandi」において、
1から1000までの10乗の和を正確に「91409924241424243424241924242500」
と求めているが、これはわざわざ
(bernpoly(1001,11)-bernpoly(1,11))/11;
としなくても、
sum(x^10,x,1,1000);
とすれば求められる。但し、この方法で、
導出しようとしても、総和記号を用いた形式で表される為、うまくいかない。
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